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2005.03.05

「お前はもう死んでいる」

 「北斗の拳」の連載が週刊少年ジャンプで始まったのは1983年のこと。翌年には早くもTVアニメ化 (1986年には劇場用アニメも公開)されて、一般的に認知されるに至った。ケンシロウの「あたたたた」、三下悪党連中が死ぬときに発する「ひでぶ」「あべし」「たわば」といった奇声が話題になったものである。また、それまでの格闘漫画になかった「経絡秘孔を突くことによって体が吹っ飛ぶ」という描写は「残酷だ」と一部のPTAに糾弾され、「『北斗の拳』視聴禁止令」が出た学校もあったと聞く。最近ではパチスロ機にまで登場しているから、息の長い作品である。

 その「北斗の拳」が、今ごろになってまた劇場用アニメになると言う。「北斗の拳、 アニメ映画に 06年3月上映」(アサヒ・コム)によると、制作は以前アニメ化を手がけた東映アニメーションではなくトムス・エンタテインメント(かつての東京ムービー新社)だそうである。こういう話題をアサヒ・コムが取り上げるのもなんだか変な気がするが。

 それにしても、まずケンシロウ役が阿部寛というのはいかがなものか。かつてのケンシロウを声優界の大御所である神谷明が演じている(神谷氏の声でイメージが定着している人も多いはず)だけに、不安要素が先行するのは仕方ないところか。映画独自のヒロイン (以前のアニメ版との差別化を図るためだろう)を立てるのも「なんだかなあ」という感は否めない。しかし、それ以上に不安なのはこの記事で触れられていないラオウのキャスティングである。聞くところによれば、今回の映画には「ラオウ外伝」というサブタイトルが付けられている。ある意味ケンシロウ以上に重要な役どころになるはずであり、ひいては映画の興行成績すら左右しかねないポイントである。スタッフには慎重な選択をお願いしたい。主人公の配役の時点で無理な注文のような気もするが、話題性を重視するあまり取り返しの付かない事態になってからでは遅いのだ。

 20年前のアニメのイメージが根強く残っている以上、何らかの新機軸を打ち出したとしても (むしろその新機軸が足を引っぱる危険性の方が高い)今回の新作アニメ化はかなりの冒険であろう。まあ会社を傾けない程度にがんばってほしいものである。多分おれは見に行かないけど。

9月16日追記:結局ラオウ役は宇梶剛士に決まった。こちらのトピックで触れたが、本当に大丈夫なんだろうか、この映画。

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