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2005.09.22

飛び込みたがる人たち

 お祭りというものは人の理性を失わせる。定期的に開催されるものですら相当数の人間の理性がすっ飛ぶのだから、「次はいつ騒げるか分からない」となると、すっ飛び方の度合いは計り知れない。

 1985年に阪神タイガースが21年ぶりのリーグ優勝をしたときには、阪神ファンが道頓堀川に飛び込んだばかりでなく、ケンタッキー・フライドチキンの店頭にあったカーネル・サンダース像までが、外見がこの年のMVPであったランディ・バースに似ていたことから道頓堀川に放り込まれた(以後設置された像がボルトで固定されたのは有名な話)。

 いわゆる「道頓堀ダイブ」は、このとき始まったものらしい。以降、近鉄が優勝しては飛び込み、サッカーワールドカップで日本が勝てば飛び込み、と、なにかと理由を付けてはこの川に飛び込む人たちが続出した。

 飛び込む場所は道頓堀川に限った話ではない。2003年に、やはり阪神がリーグ制覇したときにパリにいたファンがセーヌ川に飛び込む映像がニュースで流れた(記憶が曖昧なのだが、ロンドンでテムズ川だったか?)。また、かつて新宿歌舞伎町にあるミラノ座前の噴水広場では、大学野球の早慶戦があると早稲田の学生が噴水に飛び込んで大騒ぎしたという(それがひんしゅくを買ったのか、現在では噴水は撤去されてただの広場になっている)。

 道頓堀ダイブに話を戻す。このトピックを書いている時点で阪神のリーグ制覇までのマジックナンバーは6であり、優勝は時間の問題と言っていいだろう。2003年には道頓堀ダイブで死者が出ていることもあってか、当局は戎橋に約3メートルの高さの壁を作ることでダイブを阻止しようとしている(asahi.com)。しかしそのくらいの高さでは「何が何でも飛び込んでやる」などと思っているやつは止められないのではないだろうか。どうせ壁を作るなら「忍び返し」を付けるくらいのことはしないと。

 以前、近鉄優勝時に道頓堀ダイブを敢行した人にインタビューした記事を読んだことがある。実際あの川はかなり汚染度が高い上に川底には汚泥も堆積しており、飛び込もうものなら雑菌入りの泥にまみれることになる。家に帰ろうとしてもタクシーには乗車拒否をくらい(当たり前だ)、泥を洗い流そうと銭湯に入ろうとすれば入場を断られ、やむなく汚いまま何キロもある家まで歩いて帰ったという。また、体に付いた異臭が数日は取れず、下痢にも悩まされたそうだ。水深もそれほどないので、飛び込むという行為そのものが危険なのは言うまでもない。

 本人が危険であるだけなら「勝手にしろ」と言い切れるのだが、周囲に迷惑がかかるとなれば話は別だ。喜びを体現したい気持ちは分からないでもないが、どうせ飛び込むなら安全なところでやってほしいものである。

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» 臭いと臭いの違い [廿世紀之怪物悦楽主義]
現在9月25日18時30分。 阪神も優勝間近ですねぇ。 大阪は阪神が優勝した時の道頓堀へのダイブ対策で戎橋と太左衛門橋にフェンス作ったり色々と大変みたいですが。 死亡事故も起きてるから当たり前と言えば当たり前か。 2003年の阪神優勝時には5300人飛び込んで1人死亡ら....... [続きを読む]

受信: 2005.09.27 15:36

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