「泣ける怪獣映画」ねえ…
ゴジラが2004年の「ゴジラ FINAL WARS」でひとまずの完結をして、「しばらく怪獣映画なんて見られないのかなあ」などと思っていたら、こんなニュース(nikkansports.com)。タイトルには「ガメラ」とあるが、1999年に製作された「ガメラ3」の続編ではないので念のため。
この映画に関しては雑誌の記事か何かで読んだような記憶があるが、身の丈が80メートルもあり後肢で2足歩行するカメではなく、トラックの上にくくりつけられた普通より二回りほど大きい陸ガメのようなやつだった。喩えが適切かどうか分からないが、タイトルこそ似たようなものであるがファーストガンダムとガンダムSEEDくらい違うような気がするのはおれだけではないと思う。
そもそも怪獣映画のテーマとして「泣ける怪獣映画」という選択肢はありなのだろうか? 白状するが、おれは「ゴジラVSデストロイア」(1995年)を劇場で見たときにゴジラの最期に目を潤ませていた口である。あれはまず「ゴジラの最期」という結末をあらかじめ用意した上で、そこに敵怪獣との対決を絡めた映画という印象が強い。
「怪獣映画といえば、戦闘シーンとぶっ壊しだ」などと考えている、おれのような旧態依然としたファンからすれば、今度の「ガメラ」で泣けるところを想像しても、ラストシーン間際で一緒に育ってきた主人公の少年とガメラの別離のシーンという、安直きわまりないものしか思い浮かばないのだが。
少なくとも「自衛隊と怪獣がドッカンドッカンやりあう」とか、「怪獣同士が組んずほぐれつする」とか、そういう展開を期待している人は見ない方が賢明なのではなかろうか。古参の怪獣映画ファンには「燃える怪獣映画」を求める人はいても、「泣ける怪獣映画」を求めている人は少数派なのではないかと思うのだが。
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コメント
はじめまして。
ついこないだの「ウルトラマンマックス」は、まさに「泣ける怪獣映画(映画?)」でした。「第三番惑星の奇跡」という副題のものです。
「妖怪大戦争」の三池崇史監督作で、ネット上でもいろいろ話題になっています。
投稿: bros | 2005.10.13 10:47
コメントありがとうございます。
テレビシリーズであれば「泣けるエピソード」ってあっていいと思います。「火垂るの墓」的展開で「泣けてくる」というのはちょっと勘弁してほしいですけど(特に朝っぱらにそういうのを見せられるのは堪らないですよね)。
ただ、億単位の製作費を投入して「怪獣映画」を標榜しておきながら、宣伝の段階で「泣ける」というあざとい言葉を使ってくる製作サイドの姿勢に引っかかるものを感じたので、このトピックを書いた次第です。
もっとも、「ガメラ」というタイトルに釣られて見に来た観客から「こんなの怪獣映画じゃないやい」と因縁を付けられるのをかわす意味合いもあったのかも知れませんが。
投稿: ぶるない | 2005.10.13 15:29