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2005.12.16

トンスケ永眠

 2005年12月16日19時53分、我が家の愛猫であるトンスケが永眠した。我が家で臨終を迎えた3匹目の猫である。前の2匹と大きく違うのは、おれ自身が臨終を看取ったという一点に尽きる。以前記したように、猫白血病と猫免疫不全の両ウイルスに冒された体はやはり長くは持たなかった。

 トンスケはすでに前の晩から歩くことすらままならぬ状態となり、今朝方一緒だったという弟が言うには、その時点でかなり苦しそうな声を出していたという。家族中が「今日あたりだろう」という覚悟を否応なく強いられた。

 今日は通院日だったのだが、主治医のN先生にはそんなトンスケの話しかできなかった。

 病院からの帰りがけに、おれは酒屋に立ち寄って老酒を一瓶買い込んだ。おれなりの覚悟のつもりである。「トンスケが逝ったときにはこれを飲んで弔おう」と。

 そうして覚悟したつもりでも、やはり苦しそうに鳴くトンスケの姿を見るのはつらかった。助けを求めるような、おれたちを呼んでいるような、悲痛な鳴き声だった。消えていこうとしているいのち、そしてそれを目の当たりにしながらもそれを救えない自分。無力感に打ちのめされながら、おれにできることは最期を看取ることだけだった。最後の1時間、トンスケはもう何も見えていないであろう目を開いたまま寝息のような息を立てていたが、幾度かあの悲痛な声を上げると数回激しく震え、そのまま動かなくなった。それが冒頭の時刻である。

 一緒に臨終を看取った弟と共に手を合わせたあと、おれは弟と2人で先の老酒一瓶をあっという間に空にした。

 トンスケ、おまえはわずか2年と少々ではあったけど、紛れもなく家族の一員だったよ。向こうにいるボーズとヌックによろしく。おやすみ。そして、ありがとう。

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コメント

人であれ猫であれ身近な者が亡くなるのはとても悲しいことですね。私自身も猫好きで実家でもずっと猫を飼ってるゆえ尚更悲しく思います。

今じゃノラでは生きて行けないし、人に飼われていても安易に捨てたり保健所に持ち込んだりする方がいたりして猫にとっての安住の地はかなり少ないです。その中でぶるないさん家のように最後まで看てもらえたのは、トンスケにとっても幸せなことだったのではないでしょうか。きっと「ありがとう」って言って旅立ったと思いますよ・・・って書いてる私が涙来てどうする。(;;) トンスケの魂が安らに天に召されますよう願ってます。

投稿: 狩人 | 2005.12.17 21:37

弔問コメントをありがとうございます。実は、良くも悪くも話題になる大型掲示板の某所にも似たようなことを書き込んだのですが、狩人さんと同じような内容のレスポンスを頂戴しました。

トンスケは今朝方、家族総出で庭の一角に埋葬しました。ほぼ同じ場所に、以前我が家で臨終を迎えた2匹も眠っています。今ごろは向こうで先輩たちに我々の近況を語って聞かせているのではないでしょうか。なんとなくですが、そんな気がします。

投稿: ぶるない | 2005.12.18 01:24

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