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2006.01.10

冬季五輪とクロスワード

 ひと月後の2月10日にはトリノで冬季オリンピックが開幕する。冬季オリンピック、特にフィギュアスケートと聞くとクロスワードパズルを作ったことを思い出す。

 何ヶ月か後に1992年のアルベールビルオリンピックを控えたある夜、電話が鳴った。かけてきたのは翌春にゲームの同人誌即売会を主催する友人であった。あいさつなどした後で、その友人は切り出した。

「クロスワード、作れる?」

 何の因果か、おれはこの電話を受けるほんの少し前に長戸勇人さん(第13回ウルトラクイズのクイズ王)の「クイズは創造力〈応用編〉」を読んでおり、クロスワードの基本的な作り方は知っていた。なので、友人の問いにはこう答えた。

「作り方は知ってるけど……」

 クロスワードにはいくつかの制約がある。長戸さんの本にはなぜか「クロスワード・パズルができるまで」というおまけがあって、そこにその制約が載っていた。うろ覚えではあるが、いくつか列挙する。

  • 黒マス(文字が入らないマス)が縦あるいは横に連続してはならない。
  • 黒マスによって、他の白マスの領域と分断される箇所ができてはならない(上のルールを守っていればこれは起こらないはず)。
  • マスに入る言葉は一般的に認知されている名詞であること(あまり知られていない固有名詞にすると、パズルではなく回答者の知識を問うものになってしまう)。

 さすがに専門誌では見ないが、時折クロスワードとは縁のなさそうな雑誌に思いつきで作ったかのようなものが載ると、このあたりいい加減なものを作ってきて立腹させられることがままある。

 話を電話の件に戻す。友人はおれの回答を聞くなり「じゃあ作って」と依頼してきた。即売会のカタログに載せるのだという。おれはその後に待っている苦労を知る由もなかったので、「あー、いいよ」と至って軽いノリでその依頼を引き受けてしまった。毎月専門誌がいくつも発行されているのだから、そんなに大変な思いもしないで済むだろうと高をくくっていたのである。その予想は大いなる勘違いであったのだが。

 あわて始めたのは締め切りが月末に迫ってきた頃である。形式としては白マスを埋めていって特定のマスの文字をつなげるたものが最終解答という、よくあるタイプのものにしたのだが、この文字数を12文字に設定したために全体的にマス目の多いものになってしまった。追いつめられた挙げ句にクロスワード辞典まで購入し、導入して間もないパソコンに向かって作業をしていた時期がアルベールビルオリンピックと重なるのである。締め切りの日の夜にテレビに映っていたのはフィギュアスケートのエキシビジョンだった(その時点で大会自体は終わっていたので、おれが見たのは総集編だったのだろう)。

 以来、冬季オリンピックの話を聞くたびにこのときのことを思い出し、クロスワードに向かうときには作り手に敬意を払うことを忘れないようにしている。しかし、友人はなんでおれにクロスワードの作成依頼なんてしてきたんだろう?

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