永遠の傍観者
脚本家の佐々木守氏が亡くなった(asahi.com)。享年69。
佐々木氏というと、実相寺昭雄監督と組んだ、シリーズの中では異質な作品群が印象に残る。本来子供たちのあこがれの対象であるウルトラマンが罵声を浴びせられたり、太陽の下では生きられない地底人がハヤタが変身するときの強烈な発光で勝手に全滅してしまったり、出てきた怪獣が重すぎてウルトラマンが持ち上げられずに押しつぶされたり。かの「セブン第12話」の脚本も佐々木氏の手によるものだ。
もちろんこうした変化球が有効であるためには、直球勝負もできなくてはならない。「ウルトラマン」の場合、直球勝負はメインライターであった金城哲夫氏が受け持っていた。そんな構図を、ライターの切通理作氏は著書の「怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち」の中でこう形容している―
金城哲夫を一生懸命クラス全員を団結させようと頑張る学級委員にたとえるなら、佐々木守はそれを遠くから冷ややかな目で観察する優等生といった感じだろうか。
切通氏は上記の本の中で、佐々木氏の章に「永遠の傍観者」というタイトルを付けている。そして傍観者というスタンスを貫いてこの世を去ったように思う。
七夕の夜に雨が降らなかったらあなたに会えますか、佐々木さん。
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