« 胡散臭いチャリティーマラソン | トップページ | 500系が東海道から消えるまで、あと1年 »

2006.08.30

アニメ業界は大丈夫か?

 本屋の店内を徘徊していると「アニメ化決定!」とか「テレビアニメ好評放送中!」という文句を頻繁に目にする。コミック誌やライトノベルの帯に顕著である。2006年4月からの放映本数は尋常ではなく、東京地区では週あたりに103本が放映されているというから異常だ。

 ただ、実状としては深夜枠もしくは独立UHF局で放映されるケースがほとんどである。かつて子供がチャンネル権を握っていた時代のようにゴールデンタイムに放映されるものはごくわずかで、この時間枠は報道番組やバラエティーに押さえられてしまっている。結果的にアニメ業界は、それまで目が向けられることのなかった深夜枠や独立UHF局に活路を見出さざるを得なくなった。オリジナルのアニメはほとんどなく、そこそこ人気があると判断された漫画なり小説なりが片っ端からアニメ化され、現状のような事態になった。

 近年は以前なら関連商品であったはずのDVDの売り上げを見込んだ上で企画が立てられると聞く。しかし、むやみやたらと本数ばかり増やして、業界は本当に大丈夫なのだろうか。

 エンディングクレジットを見ていると、動画や背景や仕上げのスタッフとして日本人でない名前を頻繁に見かける。今に始まったことではないが、かなりの作業が中国や韓国のスタジオに発注されている(名前の表記から、作画レベルが著しく低い場合には「三文字作画」と揶揄されることになる)。もちろん人件費が安いという財政的な理由が大きいのであろうが、将来原画を任せられる日本人アニメーターがどの程度育成されているのか疑問が残る。いくら脚本のレベルが高くても、それを表現する作画パートがガタガタでは高い評価は得られない。市場が売れっ子のスタッフや声優の争奪戦になっているであろうことは想像に難くない。

 アニメDVDの市場はすでに過当競争になっており、日経ビジネス オンラインの記事で取材を受けた日本動画協会の事務局長は「DVDの販売を主眼に置き、深夜放送向けに番組を作るケースが増えている。だが、DVDの値下がりが激しく、有名な作品以外はほとんど赤字」と語っている。有力なコンテンツを持たない制作会社は、自分の足を食べるタコと同じということか。おそらくは現在の過当競争の次の段階には、淘汰という過酷な現実がやってくるのだろう。

|

« 胡散臭いチャリティーマラソン | トップページ | 500系が東海道から消えるまで、あと1年 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

オリジナルが少ないのも実は今に始まった話ではないのですよね。最近アニメの作品数が膨大になって、名前のある程度通ったラノベや漫画は軒並みアニメ化されまくっている(場合によってはシリーズ化)してるので目立ちますが。10〜15年ぐらい前はリメイクブームみたいなのもありましたし、1から話・キャラを作るというリスクを背負っても良いと考える制作者(というかスポンサーか?)は少ないのでしょう。
昔はスポンサーがOKを出せばオリジナル企画が通りやすかったんでしょうけど、今は単一スポンサー番組はあまり無いようなのでよけいにオリジナル作品が作りづらいのかも……と思ったりもします。

投稿: gmax | 2006.08.30 22:44

アニメの制作会社にしたところで、慈善事業で娯楽を提供しているわけではないですから、ある程度の損得勘定はしますよね(本当にしているのか怪しい作品もたまにあるけど)。そうなると、なにもないところから設定を起こして作品を作るよりは、名の通った作品にネタを求める方が楽でリスクも少ないですね。
近年ぼこぼこ作られているアニメ作品は製作委員会方式を採っていて、関連商品の販売元(スポンサー)が直接製作にタッチしているだけに、なおのこと安全な道を選ばざるを得ないのでしょう。

それにしても、一週間に放映されるアニメが103本というのは「やっぱり異常だよなあ」と思います。

投稿: ぶるない | 2006.08.31 01:13

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/75931/11687588

この記事へのトラックバック一覧です: アニメ業界は大丈夫か?:

« 胡散臭いチャリティーマラソン | トップページ | 500系が東海道から消えるまで、あと1年 »