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2006.10.08

砂上の「アニメ大国」

 10月2日から6日にかけて、読売新聞朝刊に「アニメ、見てますか」という記事が掲載された。アニメ業界の現状をレポートしたものであるが、読んでいるうちに「この業界、本当に大丈夫なんだろうか」という思いを強くした。

 第4回ではアニメーターの現状について取り上げられていた。今さら言及するまでもないが、アニメーターは過酷な仕事である。そのくせ低賃金ときているから、割が合わないこと甚だしい。テレビアニメの場合、動画1枚あたり200円前後で、「1日に10枚描ければいい方」(キャリア5年目のアニメーター氏の場合)だそうだ。さらに昨年実施されたという生活実態調査によれば、1日の平均作業時間が10.2時間、月間では約250時間に及ぶ。それだけ働いても3人に2人は平均年収が300万円未満というのだから、好きでないとやってられない世界だ。

 それでいてローリスク・ハイリターンということから、製作本数ばかりが雨後のタケノコのようにボコボコ増えている。こんな状況で質の向上を望むのは相当の無茶であろう。

 そしてアニメの放映枠は深夜に集中し、今や「視聴率は関係ない、アニメの放映はDVDのコマーシャル」のような状態だ。第5回で取材を受けた日テレのプロデューサー氏は「売れることを優先した企画に流れ、じっくり時間をかけて本当に作りたいものを作るという姿勢に欠ける傾向もあるのでは」と、自己批判とも取れるコメントをしている。

 一方で過酷な現場を見ているシリーズ監督の1人、大地丙太郎監督は「ビジネスもいいが、大事なのはハート。プロデューサーなど上の立場の人間が、もっと現場のことを考えないと。現場を見ずに“世界に誇れる日本のアニメ”なんてちゃんちゃらおかしい」と語る。

 今のアニメ業界は砂の上の城のようなものではなかろうか。調子に乗って高くしようとすると、いずれ自壊することになる。そうならないうちに業界自体が危険性に気付かないと、雁首揃えて討ち死にすることになるぞ。

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コメント

正直な話、すでに崩壊しているのかなぁと思っていたり。
いや、やけに原作付きの作品を持ってきてますし。
さらに、内容を消化せずに番組終了させるところなんて、ザラですし。

すでに、業界が流れ作業のように作品を作っているフリをしているように思えてしまうのですよねぇ。
そんな状態なら、アニメーターの給料もそうだし、声優の給料も・・・うぅ。(ToT)

投稿: Fear ウルフ | 2006.10.08 23:34

まだ完全崩壊に至ってはいないけれど確実に崩壊は始まっている、というところでしょうか。そのへんを客の側に見透かされちゃっているあたりに救いようのなさを感じます。すでに「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」((c)モロボシ・ダン)状態になっていることは疑いようのない事実ですし。

ドラマの方でも漫画にネタを求めてしまっている(このケースも多いよなあ)昨今、フィクションを作る映像業界はどこもかしこも行き詰まっているのかも知れません。

投稿: ぶるない | 2006.10.09 01:45

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