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2006.12.30

鹿島鉄道乗車記

 過日外出直前に故障が発見されて予定を台無しにしたデジカメが23日に修理を終えて手元に戻ってきた。見積もりよりも大幅に安く上がった修理代に、おれの血中鉄分はみるみると増大した。かくて「よーし、年内にはかしてつに乗りに行くぞ」と決意したのであるが、そのかしてつは翌24日に来年3月末での廃線が正式決定した。

 29日の朝、天気図の等圧線は混み合っており、北西からの風が強まることが予報されていたが、家人に対しては「北風が強かろうが、今回のおれの決意を鈍らせるほどのものではないのだ。ふははは!」などと余裕の態度を取っていたおれである。この時点では後に襲いかかる災難はさっぱり予測できなかった。

 東海を9時30分に出る列車で出発。この列車は勝田で特急を先行させるために3番線に停まる。そのときに目に飛び込んできたのは、年明けから運用が開始されるE531系のグリーン車入りの編成。思わずカメラ片手にホームに駆けだして1枚。2階建ての部分はずいぶん天井が低いように見えたが、実際のところはどうなのだろう。

E531系のグリーン車車輌

ぶっ壊れた靴  石岡には10時28分着。ここでトラブル発生。乗り換えのために跨線橋を登ろうと歩き出したら、靴の紐がほどけたような感覚が。長いこと履いていなかった靴がいつの間にか劣化していたらしく、なんと紐を通す部分が付け根からもげてしまった。「勇気ある撤退」も考えないではなかったが、「まだ足首のところで止められるじゃん」と判断して予定は続行。

鹿島鉄道一日フリーきっぷ  「一日フリーきっぷ」を購入して、10時43分発の常陸小川行に乗り込む。乗客はおれを含めて3人ほど。意外に少ない。

前面展望  前面展望はこんな感じ。見通しの利く直線区間が多いようだ。

常陸小川駅  15分ほどで常陸小川に到着。ここまでが鹿島鉄道の第1期開業区間である。そのせいか途中の各駅の区間は短め。

DD901形機関車
「野ざらし」の貨車
 この駅で降りたのはこいつが見たかったから。かつて航空自衛隊百里基地への燃料輸送に使われていたDD901形ディーゼル機関車。これの反対側には、やはり輸送に使われていたらしい貨車があった。しかし機関車は「静態保存」という言葉が該当するが、貨車の方は「野ざらし」。

鉄オタで混雑する車中  11時46分に出る鉾田行でさらに進む。常陸小川まで乗ってきた列車と違って、今度の車内はかなりの混雑ぶり。見るからに「ボクたち鉄オタです」オーラを出している連中が、前面展望を狙って陣取っている。ワンマン運行の列車は前乗り前降りである。そんなところにいたら乗り降りする人の邪魔だぞ。かしてつに乗るのは鉄オタだけでないことをちょっとは認識しろっつうの。こんなだから鉄道ファンは白眼視されるのだ。

浜駅  今度は常陸小川の4つ先の浜で途中下車。

しぶきの上がる霞ヶ浦湖岸  ここと桃浦駅からは霞ヶ浦が目と鼻の先に見える。間近で見たことがなかったので、近くまで行ってみる。それにしても風が予想外に強い。かぶっていた帽子は幾度となく吹き飛ばされそうになり、湖面も波立っている。岸にぶち当たった波がしぶきを上げているのを見かけて改めてげんなり。あまりの寒さに周囲の散策を断念して駅の待合室に避難。

浜駅に入ってくるキハ430形  13時ちょうどの予定の鉾田行は2分ほど遅れてやってきた。やはり乗り降りに難渋している様子。

鉾田駅  13時24分に終点の鉾田に到着。2000年に「関東の駅百選」に認定された駅である。

 ここの名物は鯛焼き。降りた乗客が次々と買い求めていった。おれも手みやげに購入。漫画「鉄子の旅」ご一行も取材に訪れたらしく、キクチさんが鯛焼きを食べているイラストが掲示されていた。イラストにある「かしてつ車掌DJトレイン」が意味するところはこれのこと。

駅構内のお店
構内にある鯛焼き屋

「鉄子の旅」一行来訪記念のイラスト

 次の石岡行が14時52分までないため、タクシーで鹿島臨海鉄道の新鉾田に向かう客も見受けられた。おれもその選択肢を考えないではなかったが、以下の理由により駅の近くのラーメン屋に入ることにした。

  1. 新鉾田-水戸間の運賃を払うのがもったいない。
  2. タクシー代がもったいない。
  3. 徒歩20分の道のりを歩くのには先述の事情により靴が頼りない。
  4. 昼食がまだ。

 なんとか駅周辺で時間を潰して帰りの列車に乗り込む。疲れでうとうとするお客もちらほら。前面展望を狙う元気な方もちらほら。

 かしてつに乗ったのは今回が初めてだが、「沿線に華がないなあ」という印象を受けた。百里基地への燃料輸送が経営の一助になっていたというから、これが打ち切られたのはかなりの痛手だっただろう。めぼしい観光地があるわけでもないし、かといって通学に利用する学生たちの定期代は大きな収入源にならないし、廃止もやむなしか。それでも「機会があれば廃止前にもう一度乗ってみたい」と思わせるものはあった。

 石岡からの常磐線下り列車は、これまた強風の影響で遅れていた。

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2006.12.24

何年ぶりだ?の生ブラス

 ひさしぶりに音楽の生演奏を聴いてきた。聴いたのは日立市民吹奏楽団の演奏である。かと言って演奏に知人が参加したわけではない。ゲストプレイヤーとしてエリック・ミヤシロが参加し、プログラムにはあの「スタートレックのテーマ」が入っていたのである。これで入場料が600円(当日)というのだからお値打ちである。

 演奏されたのは次の通り。

第1部(指揮:原進)

 1. ディズニー・ファンティリュージョン!
 2. そりすべり
 3. ママがサンタにキスをした
 4. 私のお気に入り
 5. クリスマス・キャロル・ファンタジー

第2部(指揮:岩井直溥)

 1. Shall we dance?
 2. ロッキーのテーマ
 3. Misty
 4. More
 5. スタートレックのテーマ
 6. アメリカングラフィティXVI

 Enc1. 翳りゆく部屋
 Enc2. White Christmas

 第1部は時節柄クリスマスにちなんだナンバー、第2部ではポップス中心の構成。第2部で指揮を担当した岩井氏は吹奏楽界の大御所であるそうだが、MCでのギャグはかなり滑っていた。

 お目当てであるミヤシロ氏は第2部からの登場であった。おなじみの「ロッキーのテーマ」で華々しく登場、続く「Misty」では「いつまで続くんだ?」と思わせるロングトーン(鼻から息を吸いながら吹くそうだ)で会場を沸かせた。そしておれの足を会場に運ばせた「スタートレックのテーマ」では、今年亡くなったメイナード・ファーガソンばりのハイトーンを披露してくれた。この曲はオリジナルの演奏に忠実なアレンジがなされており、途中に入るフルートのソロパートまでが再現されていた(ソリストにはただ拍手あるのみ)。

 料金分以上に楽しませてもらっただけに、終演後ロビーに出てきていた楽団の人たちには、思わず目が合うたびに「お疲れ様でした」と声をかけてしまっていた。

 ふと「生で音楽を聴いたのはいつ以来だろう?」と思い返してみたら、8年前のT-SQUAREのライブまで遡ることに気付いて愕然とした。ミヤシロ氏のトランペット(ホーンセクションの1人として参加していた)を聴いたのはさらにその3年前、純粋にブラスバンドの演奏となるといよいよ記憶に残っていないくらい昔になる。かつては「年に一度は生演奏を」という時期もあったんだがなあ。

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2006.12.22

「ちん電」は過去へ

 昨年4月に廃線になって以降も、ある程度の痕跡がどこかに残っていた日立電鉄線の存在も、人々の記憶と記録の中だけの存在になりつつある。2週間前に大甕駅を訪れたときにはすでに駅事務室が取り壊されていたが、今日行ってみたら事務室以外のものまでごっそりとなくなっていた。

ごっそりなくなったプラットホーム
(携帯電話のカメラで撮影)

 ホームがなくなってしまえば、当然そこへ至る跨線橋も不要になるわけで、二つあるうちの日立寄りの跨線橋は取り壊されるそうだ。階段の上り口にはこんな掲示が出ていた。

跨線橋取り壊しの告知
(携帯電話のカメラで撮影)

 取り壊される方の跨線橋は改札に近いのだが幅が狭いので、朝夕のラッシュ時にはかなり窮屈な思いをしたものであった。おそらくは改札のある1番ホームと島式の2番ホームのみをつなぐ新しい跨線橋が新築されるのであろうが。

 こうして「ちん電」の時代はどんどん過去の物になっていく。

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2006.12.13

2006年の漢字は「命」

 12日に日本漢字能力検定協会が発表する「今年の漢字」は「命」との報道があった。昨年の「愛」よりはすんなり納得できる結果に落ち着いたように思う。

 この結果になった理由について、主催元は4種類を挙げている。

1.親王「悠仁さま」ご誕生
 秋篠宮紀子さまが約40年ぶりに親王「悠仁さま」をご出産。日本中が祝福ムードに包まれました。 ※この意見は2位「悠」の主要な理由にもなっています。

2.自殺の多発
 いじめによる子供の自殺をはじめ、生活苦による高齢者の自殺など自殺のニュースが相次ぐ中、履修問題の責任をとって校長も自殺したことが理由の大半を占めました。

3.痛ましい事故・事件の多発
 飲酒運転による交通事故死、虐待による殺人事件、竜巻など自然災害による突然の死、そして、ペットの大量処分などに心を痛めたという意見も多く見受けられました。

4.命に不安を覚える出来事の多発
 北朝鮮で核実験が行われたことや、医療制度改革による高齢者の医療費負担の増大、臓器移植問題、医師不足など、命に不安を覚える出来事が数多く挙げられています。

 これはおれの勝手な想像だが、5番目の要素として「アニメ・特撮関係者の相次いだ訃報」もありうるのではないか。このブログで今年取り上げた故人でこの要素に該当するケースを挙げると次のようになる(敬称略。日付は取り上げた記事のもの)。

  • 伊福部昭(2月9日)
  • 佐々木守(2月27日)
  • 宮川泰(3月21日)
  • 曽我町子(5月17日)
  • 鈴置洋孝(8月10日)
  • 曽我部和恭(9月20日)
  • 実相寺昭雄、宮内國郎(11月30日)

 この他、青木智仁(6月14日)、宗左近(6月24日)、メイナード・ファーガソン(8月25日)の訃報を取り上げている。あまりの多さに「まったく、今年はなんて年なんだ」と何度口にしたことか。今月に入って、開設以来変えたことのなかったブログの外観を一新したのも今年の訃報続きに辟易したせいである。

 上位20字が「2006年 今年の漢字」に発表されているが、2位以下の漢字も見てみると、さらに2006年という年が見えてくるように思える。5位に「子」、6位に「殺」と並んでいるのがなにやら象徴的だ。親が幼い子供を虐待の果てに殺す事件も多かったし、某直木賞作家が生まれたばかりの子猫を崖から投げ落として殺していることを新聞のコラムで告白してブーイングを浴びたのも今年の出来事のひとつに数えられる。そうした要素を最大公約数的に代表しているのが「命」という字ではなかったか。


 今年は結果に異論を差し挟むつもりはないが、きわめて個人的に今年を象徴する漢字は「頭」。4月中旬から10月の終わりにかけての半年間は水頭症と手術のことばかりネタにしていたような気がする。坊主にされるわ、頭蓋骨に穴を開けられるわ、頭皮はメスで切られるわ、管は通されるわ、とにかく首から上が大騒ぎの半年間であった(詳しくは「水頭症」カテゴリーをお読みいただきたく)。

 そういや手術という大きな出来事を通して、おれも「命」について思いを馳せたっけなあ。

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2006.12.03

「予想外のことは起こるもの…」

 出かける1時間前まで、おれはひさしぶりに「乗り鉄」できる喜びで浮かれていた。来年3月末に廃止される鹿島鉄道に乗りに行く予定を立てていたのである。

 立てていた予定がすべてぶち壊しになったのはデジカメの日付を設定しようとしたときであった。電池を入れて、メニュー画面を呼び出して、「日時設定」を選択し…あれ、選択できない。いくらセレクターをいじってもメニューが動かないのである。何度も電源を切っては入れ、はたまた電池を抜いては装填しと繰り返したが、無情にも事態は変わらなかった。

 かくして石岡・鉾田方面だった行き先は、近所のカメラ屋さんへの変更を余儀なくされた。なんてこったい。さらに修理を受け付けた店員さんは「デジカメの場合は(修理代は)1万5千円はかかりますね」と話し、この日2度目の衝撃をおれに与えたのであった。

 それでも購入してから丸6年、故障らしい故障をしなかっただけでも御の字であろうか。それに「かしてつ」に乗りに行く機会はまだある。もし廃線ギリギリに予定を立てて、その直前にデジカメの故障というトラブルに出くわしたらどうなっていたことか。おれはまだ運が良かったのかもしれない。ものは考えようだ。

 どこかから「予想外のことは起こるもの…」というシーマ・ガラハウの冷笑が聞こえてきそうではあるけれど。

12月12日追記:見積もりが出た。22500円…。うぐぐぐ。ま、買い換えるよりはマシか。

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