« アニメ版スパロボを読み解くキーワード | トップページ | JRダイヤ改正2007 »

2007.03.10

「サヨウナラ、サブロウクン」

 声優でありナレーターでもあった小林恭治氏が8日に亡くなった。享年75。

 訃報を伝えるasahi.comの記事では「おそ松くん」のイヤミと「ひょっこりひょうたん島」のマシンガン・ダンディが代表作としてあげられているが、このあたりを見ていた世代よりも少し下のおれなどからすると「声優:小林恭治」よりも「ナレーター:小林恭治」のイメージが強い。特に1978年から1986年にかけて放映されたNHKの「ウルトラアイ」が印象深い。知的でかつどんな年代にも親しみやすい語り口に、科学への興味をそそられた視聴者は少なくなかったと思う。おれとほぼ同年代の谷口悟朗監督が「プラネテス」で小林氏をナレーターに起用したのにも、少なからず「ウルトラアイ」の影響があったのではなかろうか(NHKでの放映だったこともあるし)。

 個人的なイメージが「小林恭治=ナレーター」で固まっているせいか、「銀河英雄伝説」で声優としての演技を耳にしたときには少なからず面食らってしまったものだ。

 特撮物でも何本かのナレーションを担当した小林氏であるが、変わったところでは「ウルトラセブン」のゴドラ星人や「大鉄人17」中盤以降のワンセブンの声も演じている。

 ワンセブンがしゃべるようになったことに不満を持つ向きもおられるだろうが(当初ワンセブンは「イエス」と「ノー」のシグナルでしか意志を表示できなかった)、放映当時のおれはむしろワンセブンが小林氏の声でしゃべることで、それまでより近しい存在になったように感じた記憶がある。それだけに最終話でワンセブンが敵の親玉もろとも自爆してしまったのは寂しかった(「そのラストは『ジャイアントロボ』と同じじゃないのか」などとつっこまないように)。今回タイトルに使ったのは、最終話で主人公の三郎に向けたワンセブンの別れの言葉である。短くありふれたこの言葉に込められたワンセブンの思いを今になって想像すると、思わず泣けてきてしまう。

 稀代の名ナレーターよ、永遠に。あなたの声はけして忘れません。

|

« アニメ版スパロボを読み解くキーワード | トップページ | JRダイヤ改正2007 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

特撮」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです、Gです。
昨夜寝る前にこの記事を見たとき
同じくワンセブン世代のGは言葉も出ず
何度も何度も読んでおりました。
本当にサヨウナラ、サブロウクン、
その言葉を小林氏に贈りたいです。
記事を書きましたのでトラバします。
なんか泣くに泣けないです・・・。

投稿: gun_gun_G | 2007.03.12 22:21

ワンセブンの最終回というと、別れの言葉以外に印象に残っているものがあります。それは番組のエンドカードでした。
ラスト前まではワンセブンが「ジカイモオタノシミニ」と言っているものだったのですが(記憶曖昧です)、最終話のエンドカードではその台詞が「サヨウナラ」に変わっていました。直前にほとんど同じ台詞を小林氏の声で聞いていただけに余計に寂しかったものでした。

Gさんの記事も拝見しました。ワンセブンがしゃべったのにはそういう経緯があったのですね。三郎と一緒に人質にされた女の子の名前が「のぞみ」だったのは不思議な符合ですね。

投稿: ぶるない | 2007.03.13 01:13

トラバありがとうございました!
最終回はGも見てましたが
流石にエンドコールは覚えてないです・・・
印象的だったのはハスラー教授が
扇子持ってハスラー要塞に乗って
暴走しまくってたのと
ビッグエンゼルがブレイン打倒の策に
「ワンセブン、三郎」といって爆発するのと
ワンセブンと一緒に特攻する三郎を
ロボターが追い出してワンセブンが
記事のセリフを言うところですね。
ワンセブンはマグマ大使のような
複数話構成で進むので記憶が混ざるんです。

しかし、のぞみという名も確かに・・・。

投稿: gun_gun_G | 2007.03.14 11:16

記事のタイトルに使った台詞は、たしか意外に唐突な感じで出てくるんですよね。
で、それを不思議に思った三郎が「どういうことだ?」と訊くと、ロボターが甲高いが無感情な声で「サヨウナラ」と言って三郎を外へ放り出してしまったんですよね。
本放送でしか見ていないはずなのですが、どうしてここまで憶えているのやら。涙腺が弱くなっている今見たらホントに泣きそうです。

投稿: ぶるない | 2007.03.14 12:52

小林恭治さんの声もアタリマエにテレビから聞こえてくる声でしたのでとても寂しいです。「太陽にほえろ!」の予告編とかまさに「ウルトラアイ」が印象的なのですが第二期怪獣ブームの「スペクトルマン」のネビュラと「サンダーマスク」のナレーションは印象的でした。
「おそ松くん(旧)」はあまり記憶にないのですがイヤミの声はどうも小林さんのイメージと合わないのですがどうだったのかな・・。代表作としてイヤミの声と紹介されるのはちょっと違うような気がします・・。

投稿: 大阪歩 | 2007.03.16 00:48

「おそ松くん」の最初のアニメ版が放映されたのは1966年から翌年にかけてですから、第2次怪獣ブームを実体験した世代あたりに、「小林恭治=イヤミ」はピンとこないものがあるのではないでしょうか(むしろリメイク版での肝付兼太氏の方が分かりやすい)。

聞こえてきていてアタリマエの声がある日から聞けなくなる、それはいつかやってくることなのだと頭で分かっていても、やはり寂しいものは寂しいですね。

投稿: ぶるない | 2007.03.16 06:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/75931/14209427

この記事へのトラックバック一覧です: 「サヨウナラ、サブロウクン」:

» シェー [言わぬが花]
 赤塚不二夫の不世出の漫画「おそ松くん」。…という言い方はおかしいな。不世出の漫画家、赤塚不二夫の天才は忘れたころにバカボンで…。ちやう。不世出の赤塚不二夫は出世払い…。ちやうわ。日本語は難しい。ちなみにワシは出不精や。 ようわからんけどとにかく、「お...... [続きを読む]

受信: 2007.03.11 14:16

» 大鉄人17こと声優・小林恭治氏逝く・ワンセブンが喋ったきっかけ [ひいろお倶楽部@]
こんばんは、Gです。余裕が出てきて溜まっている記事を書こうと思っても世の中というものはそう簡単にはいかないもののようです。昨夜、寝る前にネットをチェックしてましたら、今更ながら、ある訃報に「え?」と2時間くらいボーっとしてしまいました。言葉も出ないといいますか涙も出ないといいますか、ただただ呆然としてしまいました。 その方とは 声優・ナレーターの小林恭治氏が8日、くも膜下出血のため亡くなられました。享年75歳。 ナレーターというイメージの強い小林氏(おそ松くんのイヤミもそう... [続きを読む]

受信: 2007.03.12 22:18

« アニメ版スパロボを読み解くキーワード | トップページ | JRダイヤ改正2007 »