儲けは出ているか?
今に始まった話ではないが、アニメ製作者の賃金のレベルはどう考えても手間に見合うだけのものではない。一説によれば、アニメ草創期に手塚治虫が制作費を低く抑えてしまったせいであるという。そんな低賃金にあえぐ末端の製作者たちがとうとう声を上げた。asahi.comより。
世界に誇る日本のアニメ。市場規模は2000億円以上といわれるが、原画を描く制作現場では月収10万円に満たない人も少なくない。こうした状況を改善しようと、アニメーターや演出家らが13日、「日本アニメーター・演出協会」(JAniCA)を設立した。
約70人が参加。代表は「北斗の拳」監督で、協会設立を呼びかけた芦田豊雄スタジオライブ社長が務める。東京・荻窪で開かれた設立会見で芦田さんは、「業界は『低賃金でもアニメが好きだから』という働き手の気持ちを利用してきたが、このままでは優秀な人材が入ってこなくなる」と訴えた。
正直なところ、声を上げるのが20年くらい遅かったのではないかという気もするが、芦田代表のコメントは文字通りの「血の叫び」であろう。甘い汁を吸っているのは本当に一握りの連中だけで、それ以外の人々は安い賃金でこき使われている。「牛馬の如く」という喩えがあるが、牛や馬は働いた分餌がもらえるだけでも末端のアニメ製作者諸氏よりマシな待遇かもしれない。
「待遇に見合った給料をよこせ」と言うのは至極真っ当な労働者の権利である。ただ、こうして団体設立に至ったことが裏目に出はしないかが心配だ。作品制作の全権を握っている人間が「あっそう。じゃあこれからは安く仕事してくれる中国や韓国の人らに頼むから、キミらはクビね」などと言いだしたらそれこそヤブヘビになってしまう。ただでさえ動画や背景、仕上げといったセクションが海外へ丸投げされるケースが少なくないのだから。
日本には大小400社を超すアニメ制作会社があり、そこで働くアニメーター・演出家は正確な統計はないものの4500人程度とみられている。協会によれば、アニメーターは1日平均10時間以上働いても、全体の2~3割は年収100万円前後。新人は半年で半数が、1年後には7割が辞めていくという。
市場規模の数字にだまされてはいけない。景気がいいのはうわべだけの話で、今日もアニメーターたちは命をすり減らしながら働いている。
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