« 「ごちそうさま」は? | トップページ | 駆け抜ける嵐 »

2008.01.17

HEAVEN KNOWS

 弟が逝った。本来の順番ならば家族では一番最後に墓に入るはずの弟が、真っ先に逝ってしまった。一足先にmixiの方では報告したのだが、こちらでも簡単に報告しておく。

 8日の朝食を家族と一緒に取ったのを最後に、自分の車で外出した弟はその夜帰ってこなかった。以前にも同じようなことがあったことを踏まえて、その日のうちに警察への捜索願は出したものの、どうやらその晩に弟は我が身を処することにしたらしい。愛車の運転席が永遠の眠りへの寝床となった。

 発見の報が入ったのは昨日16日のことである。車はひとけのない山林の中に停まっており、マフラーから運転席へホースが導かれていた。検視に当たった医師の所見によれば、死因は一酸化炭素中毒とのことである。時節柄遺体が綺麗なままだったのは不幸中の幸いだったかもしれない。

 生前こころを病んでいた弟は、思っていることを家族に漏らすことをしなかった。週に一度通っていた精神科の主治医だけが愚痴や本音を吐き出せる相手だったらしい。それを思うと、おれ自身の日頃の言動も今回の事態の遠因になっているように思えてならない。今更言ってみたところで死んだ人間が生き返るわけでもないが、こればかりは悔やんでも悔やみきれない。

 故人にとっては不本意だったかもしれないが、弟は今日無言の帰宅をした。葬儀は身内だけで済ますことになっている。バカ話をする相手を永遠に失った空虚な気持ちは、これからおれを苦しめ続けることになるだろう。

 うちで息を引き取った猫たちにあの世で会ったらよろしく伝えてくれや、この大馬鹿野郎め。「こっちじゃオレたちの方が先輩だぞ」と言われても知らんからな。

|

« 「ごちそうさま」は? | トップページ | 駆け抜ける嵐 »

心と体」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こちらで記事を先月読ませて頂いた際に
物凄い衝撃を受けました。
読むたびに言葉がうまく見つからずに
ようやく今日の弔問とさせて頂きました。
これはプライベートでも一度も話した事が無いのですが
自分と同時期に入院してた友人達の中でも
亡くなった方(自殺がほとんど)、家庭崩壊した方、
職を得られず住んでた土地を去った方、
人格が変わった方、病院から一生出られなくなった方、
他の病気を併発させてしまった方などがいて
これが身内だったらどうなるんだろう?という衝撃が走り
色々と思い出しながら涙して記事を読み直しました。
自分が病気を正直に3日連続で記事にした際に
自分以外の周りの環境の事をあまり書いてないのは
上記の方々を思ってのためです。
「うつ病は心の風邪」と書くと
確かに大した事無いと思われるのは事実で
本来この言葉の意味は「風邪と同じくらいかかりやすい」と
「治る可能性はあるにはある」という事であって
実際は再発や時間がかかりすぎる事がほとんどです。
今は現代病のように言われてても、ずっと前からある病気で
差別やら理解が得られないやらで大変な事が現在もあり
亡くなられた弟さんもご家族の方々も
さぞ苦しかった事だろうと思う次第です。
自分が親しい入院時代の友人が亡くなった時に
残された自分ら同期が命を経った連中の生きれなかった分を
何とか生き続けるしか供養にならないと
入院時代の他の友人と話したのを思い出しますが
やはり・・・それしか残された人間には無いように思います。
お悔やみにもならない文章ですが心中お察しいたします。
合掌・・・。

投稿: gun_gun_G | 2008.02.07 22:29

Gさん、弔問のコメントをありがとうございます。

この記事自体、書きながら何度となく「本当にこの文面でいいのか?」と自問しながらキーボードに向かったのを思い出します。

両親は弟の主治医の先生から、昨年末に「自殺に気をつけるように」との注意を受けていたのですが(どうやら先生に対して自殺をほのめかすようなことを口にしていたようです)、家族の誰も弟を止めることは叶いませんでした。遺された者がいくら言っても仕方のないことですが、「苦しいのなら苦しいと言ってくれれば」という思いはどうしてもつきまといますね。
今はただ、わずかでも両親の支えになってやろうと思っています。

投稿: ぶるない | 2008.02.08 00:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 「ごちそうさま」は? | トップページ | 駆け抜ける嵐 »