ライトノベルが想定する読者層とは?
このタイトルに関して、出版各社は読者の漢字読解能力(ボキャブラリーと言い換えてもいい)をどの程度と見積もっているのだろうか?
先日買ってきたものはシリーズ物の1冊でアニメ化もされている作品(そんなものはライトノベル業界には別段珍しくもないない)であるが、「こんな言葉にまでルビが必要か?」というくらいふりがなが振ってある。初出の固有名詞やら当て字と思われるフレーズであれば納得もできるが、「警察」だの「消防署」だのといった、義務教育の教科書にもごく普通に出てくるであろう言葉にまでふりがなが振られている文面というのはあまり見てくれのいいものとは言えない。
また、シリーズを通して読んでいると1箇所ないし2箇所は校正の修正漏れが目に付いたりする。見つけたときは「おれがこんな言い回しを知らないだけなのかも…」と一歩下がった見方をするのだが、辞書を引いてみると単に校正作業で漏れただけであることがはっきりするのである。そうと分かると、作者と担当編集者にバカにされているような、なんとも言えぬ妙な気分になってくるのであった。しかも、そんなチョンボが初版から16版までの4年強にわたってほったらかしになっている状況もコワいと言えばコワい。
ふりがなのある箇所を多くして読者の敷居を下げるのもひとつの販売方法なのかもしれない。ならばなおのこと、そこに書かれている日本語は正確を期するべきではないのか? いかにライトノベルといえどもそれは小説であって、間違い探しのクイズ本ではないのだから。
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