無知は個性じゃない
今日も今日とてマンネリをものともしないテレビ局は、義務教育で習得する(であろう)レベルの知識を問題にするクイズバラエティをダラダラと4時間あまりも放送している。この種の番組になくてはならない(と製作者が考えている)のは、見当違いの解答を繰り出して笑いを取る係の出演者である。このところこの種の有名人は「おバカ」というレッテルを貼られてちやほやされているようだが、それがどうにも腑に落ちないでいる。
その昔深夜枠で放映されていた『カルトQ』に出場する人々は、その偏った博識ぶりを変な目で見られたものだが、その驚愕の視線には「よく知ってるよなあ、こんなこと」と尊敬の粒子が含まれていたことを視聴者は承知していたはずである。ひるがえって現状はどうか。そこにあるのは「こんなことも知らないの?」という軽蔑のまなざしと、それに裏打ちされたねじれた優越感ではないのか。
少なくとも、無知であることは罪ではない。しかしそれを個性であるかのように振る舞うのはやめるべきだろう。「おバカ」と言えばかわいらしく聞こえるのかもしれないが、「無知」と言ってしまえばそこまでのことである。テレビで教養のなさをひけらかす芸能人の賞味期限もそう長いものではないだろう。
どうせ飽きられたら「過去の人」扱いされるだけだよ、あなたたち。無知がいつまでも売り物になると思うなよ。
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