創元版『銀英伝』に閉口す
創元SF文庫でひさしぶりに『銀河英雄伝説』を通読した。
ちょっと前に徳間デュアル文庫で刊行されたときには、あまりの挿絵の多さに閉口して「いつから『銀英伝』はライトノベルになったんだ」とぼやいたものだが、今回は今回でしょうもない誤植に閉口させられている。
現時点で刊行されている「千億の星、千億の光」までを読んだ限りでは、本伝の後半から目に付くようになったように思う。たとえばこんな――
「おれは卿らに戦闘のやりかたを教えた。だが、掠奪や暴行や放火のやりかたを教えた憶えはないそ」(外伝1 P.116)
最後に濁点を打ち忘れただけで、格好良く決まったはずの台詞も台無しである。本伝の終わりの方でも同じようなタイミングの箇所に同じような誤植があって、どっとしらけた。他にも『銀英伝』読者にはおなじみのフレーズである「金髪の孺子」が「金髪の揺子」になっているところもあったり、「拘泥」に「こうでん」とルビが振られている箇所もあったりで、思わずため息が出てしまう。
編集者はちゃんと校正作業をしているのだろうか? 巻末にはお約束のように「創元SF文庫版では徳間デュアル文庫版を底本とした。」との一文が挿入されているが、まさか誤植の責任をデュアル文庫の担当者に押し付けるつもりではあるまいな。
どうにも困ってしまうことには、この創元SF文庫版が「最終決定版」らしいということであろうか(外伝2解説文より)。こんな仰々しい看板を掲げるなら、ちゃんとやることをやってほしいものである。
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