アニメ版スパロボを読み解くキーワード
巷では「スーパーロボット大戦W」がおおむね好評のようである(ソフトはともかく、ハードの方がいつになっても品薄なのはなんとかならんか?)。その一方で、現在放映中のアニメ「スーパーロボット大戦OG ティバイン・ウォーズ」の方はあまりいい評価を聞かない。たまたま目にしないだけかもしれないが。
以前OVAとしてアニメ化されたときもえらく不評を買った(Wikipediaでの記述はほとんど不評の羅列である)が、このときの反省点があまり顧みられていないのではないだろうか。このトピックを書いている時点で22本をかなりだらだらと見てきたが、問題点を一言で表現すると「アンバランス」ということになるように思う。
オープニングでぞろぞろと出てくるロボットやキャラクターを見ていると、かなりの数が横並びになっていて、どれをキャラクターとして立てたいのか読み取れない。これは本編でも同様で、エンディングクレジットでこそリュウセイが筆頭に来ているのに、ストーリー上では誰が主人公なのやら分からない展開になってしまっている。それでいて「その他大勢」に分類されるキャラクターの数も無闇に多いので、ゲームの方を知らないでアニメから入った視聴者の中には「顔と名前が一致する前にキャラクターがお亡くなりになってしまった」という人もいるはずだ。
そんなストーリー展開にもかなり問題があるのだが、見ていてどうにもイライラしてくるのは音響面のバランスの悪さ。
第一に戦闘中に通信機越しに交わされる会話が、ノイズだらけであまりにも伝わりにくい。作り手側は「こうするとホンモノっぽいでしょ」というつもりでやっているのかもしれないが、そういう変なところにこだわらなくていいから。重要な台詞を通信機越しに言われてしまい、キャラクターが何に驚いているのか分からなかったことが何度かあった。これはこだわりという言葉で片付けられるものではない。どちらかというと余計なお世話である。
もうひとつ音響面でバランスが取れていないのは、台詞とそれ以外の音。効果音はともかく、BGMの音量が異常に大きくて台詞が聞き取れないアニメって何なんだ? そんなに音楽を聴かせたいのであれば、キャラクターの台詞は全部字幕にしちゃえばいいんじゃないか? それこそゲーム画面みたいに。
今回のテレビアニメ化は、現在発売日未定になっている「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」のプロモーションも兼ねていると聞く。しかしアニメ版の現状を見る限りでは、新規ユーザーを取り込むことはできていないように思える。販売促進どころか、これでは逆風である。それとも視聴者に「アニメの出来はアレだけど、その分ゲームにの方に力入れてるのかな」と思わせる回りくどい販売戦略なのだろうか?
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