今年はウルトラシリーズ誕生40周年。というわけで、テレビでは最新作の「ウルトラマンメビウス」が放映中で、そこへつながる世界観を持つウルトラ兄弟と共演する映画が製作された。その「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」を観てきた。
こういう言い方をしてしまうと語弊があるかもしれないが、言い切ってしまおう。「メビウス」の予備知識はなくてもいいから、「タロウ」までの予備知識なら十分ある年季の入ったウルトラファンは観てきなさい。特に「エース」のファンの人は万難を排してでも観に行くように。
―以下、ネタを割りまくっているので見ていない人は注意されたし―
冒頭から初代ウルトラマンからエースまでの4人を向こうに回して暴れまくる「究極超獣」Uキラーザウルス。戦場が月面から地球の衛星軌道に移るあたりから、早くもCGを駆使した板野サーカス全開。おお、ちゃんとセブンの声は森次氏だ。
Uキラーザウルス封印から20年、1人神戸に降り立つメビウス=ヒビノ・ミライ。着陸するガンウインガーと実景の合成がいい感じ。そして偉大なる先達との出会い。みんないい感じに歳を取っている。高峰氏が「エース」の頃からほとんど雰囲気が変わっていないのは凄い(「今でも50メートルを全力疾走できる」と監督に語ったそうだ)。特に今回は相手がヤプールということもあってか、北斗=エースのテンションは高め。
宇宙人連合の先陣を切って登場するのがテンペラー星人だったのは意外だったが、あっけなくメビウスに敗れてしまったのはもっと意外。「口ほどにもないやつ」などと思っていたら、同じことをガッツ星人が口にしたので思わず失笑。他の宇宙人連中も、変身能力を駆使して人をペテンにかけるザラブ星人、分身戦法で相手を翻弄するガッツ星人、確実に段階を踏んで計画を進めるナックル星人、とオリジナルの設定を踏襲してくれているあたりが「分かってるなあ」と思う。
罠にかかって捕らえられたメビウスを「助けよう」と真っ先に提案するのは「タロウ」のときと同じでやっぱり北斗。ハヤタが止める展開までは同じだが、郷の「勝てばいいんですよ」という声に後押しされる形で最後になるかもしれない変身を決意する4人。横並びで歩いてくるシーンからおのおの変身していくくだりは鳥肌ものだった。
上記のシーンに限らず、要所を押さえるように流れる、「ウルトラ六兄弟」や往年のBGMのアレンジ曲は、これまたオールドファンのツボつきまくり。
復活したUキラーザウルスに対してゾフィーとタロウを加えた7人が画面を縦横無尽に飛び回るシーンでは、板野サーカスがオーバーブースト。編集でうまくつないでいるが、やはり実物のスーツとゲームみたいなCGの違和感が最後までぬぐえなかったのは少々残念。タロウがストリウム光線を放つ前の「溜め」を再現しているが、「これがCG作画でなかったら」、「タロウの声が篠田氏だったら」と思ってしまうのは高望みか。
なんだかんだで難敵を破って、神戸を後にするミライ。さりげなく北斗がTAC時代の「二本指を立てての敬礼」を送っているのが心憎い。徹頭徹尾北斗のキャラクターが立ちまくりだったのが、第二期ウルトラの洗礼を幼少期にたっぷり浴びた人間にはなんだかうれしい。……とか言いながらも戦闘シーンではセブンばかりに注目していたのを白状しておく。やっぱりカッコいいよ、セブン。
見終わって感じた印象は「この作品のメインターゲットは、今『メビウス』を見ている子供たちよりも、その親たちだ」ということ(なにせGUYSの面々はほとんど出番がないし)。おれと同年代の人にとっては夢のような映画に仕上がっていると思う。
ところで、公開前に流れていた「ゾフィーの人間体の登場予定」の話は、いつ立ち消えになったんだ? 楽しみにしてたのに。